巻き戻し 第三話-3
「あのー、すんません。さっきから全然食ってないすけど、大丈夫すか?」
この人は…たっつーと一緒にいた人だ。
名前は…。
「あ、俺、襷っていいます。どもっ」
「あ…あぁ、どうも。私、那由多っていいます」
「あの、那由多さん、龍の連れなんすか?」
「えっ?」
「あ、ほらさっき二人で話してたから」
「あー…はい。小学生の時ね、一緒だったから。久しぶりにあって」
「あそうなんすか。なんか龍もずっと気にしてる感があってね。もしかしたらって思ったんすけど」
「そうなんだ」
「で、もう話しないんすか?」
「あー…いや、ちょっとね、失礼なこと言っちゃって…」
「失礼なこと?」
「うん…。まぁ彼にだけじゃなくて、襷くん達にも失礼な発言だったんだけど…」
「なんすか?」
「いや…あのね…“専門なんてみんな頭悪そう”とか“ろくに勉強もできなそう”って…ね…」
「あー…」
襷くんも、しばらく沈黙した。
そりゃそうだよな…。
「いやーほんと、違いないっす!はっはっ!」
「…えっ?」
予想は外れ、彼は急に笑い出した。