DMAI1-4
「お待ちしておりました」
扉の向こうにはメイド服を着た女の人が立っていた。
「いや、待たせてたのかい?」
「さぁ………。まぁ、とにかく、おれたちはDRAMAから………あれ、DAPUMP?」
「違うよー、DRUMよー」
「何言ってんだ、DMAIだ。そいつに言われてここに来させられたんだが………」
「はい、立ち話も何ですからどうぞ、お上がり下さい」
「あぁ、わざわざ悪いね」
洋館の中は、扉から真っ正面に廊下が伸びており両脇に上の階に通じる階段があった。しかし、色は全体的にピンクっぽく外観と同じく少し古びていた。
メイドは廊下を真っ直ぐに進んだ。一たちもそれに続く。
「あの階段上の肖像画!すごく高そうだったね!」
「やっぱ、お金持ちなのかなー」
「こんなでかい洋館だもんな。ただ………時代は違うようだな」
大輔は洋館のあちこちを見ながらつぶやいた。
「ここです」
しばらく歩き続けると扉に突き当たり、メイドは言った。
「中でご主人様が待っておりますので」
『ガチャ』
「またこれは………」
部屋はまた一段と広かった。
そしてその中央には長いテーブルがあり、一たちの目の前には男が1人座っていた。
「これはこれは………」
その男は髭も髪も真っ白で、感じはとてもよくにこやかに一たちを迎えてくれた。
「わざわざ来ていただいてありがとうございます。私はチェックと申します」
「おい、おれ日本語しかできないんだが」
「あぁ、あれは日本語だぞ。自動翻訳か何かされてるんだろ」
一と大輔がぼそぼそ言い合っていると、老人がそれに気付いたのか説明し始めた。
「ここまで来ていただいた理由は他でもない、やつらを止めてもらいたいのです。」
「論点違うんだが………やつら?」
「はい、やつらです」
「あのー、存じ上げないんですが………」
「なんと!?ではなぜ来たのですか!?」
「いや、飛ばされたっていうか………成り行きです」
「そうか………知らされていないか………。やつらとはな………」
「はい………」
一たちはごくっとつばを飲み、チェックの次の言葉を待った。
「海賊です」
「!!??」
一同は目が点になった。