青に染まる少女-14
「り……りこ……りこぉ……」
涙が止まらない。
けれど、口元は安堵で緩んでしまう。
「よか……た……よかった……よか……ったぁ」
何度も繰り返す私を一瞥した志臣が、短く息をついた。
「悪いけど、泣くのは後にしてくれる?死んでないってだけで、行方不明にはかわりないんだから」
僅かに苛立ちを含んだ声に、鼻を啜って涙をこらえた。
「アンタが俺たちを信用しようがしまいが、俺たちは石田莉子を助け出すつもりでいる。
ただ、生きて助け出せる確率は、かなり低い」
志臣の表情は厳しかった。
私の方は見ていない。どこか別の誰かに話しているような、そんな様子だった。
「莉子を……助けて」
紡いだ言葉は自分でも分かるほど、震えていた。
志臣の厳しい横顔が、新たに滲んできた涙で歪む。
「アンタが」
志臣がこちらを向いた。
「アンタの協力が必要だ」
切れ長の瞳が鋭く光る。
射抜かれるようだと思った。
目を逸らしたいのに逸らせない。
意志をそのまま眼光という矢に変えて放ったような。
「何を……したら、いいの?」
私は呟いた。
莉子を助けたい。
「協力、させてください」
言ってから口を引き結ぶと、こちらを睨むように見つめていた志臣がフッと笑った。
「そう言うだろうと思って、預かるって言ったんだけどな」
「へ?……あ」
さっきの母親との電話のことだと思い当たった。