隣にキミが。。。-2
「人前でそーいうことしないでよ!最っっ低!!!」
言ってしまった。自分が最低。案の定、いや、それ以上に峻は傷ついたような悲しそうな顔をして、
「・・・結構前から、陸のこと良い友達だと思ってた。ごめん」
そう言って学校へ歩いていってしまった。何なのよ・・・。あたしは頭を抱えてその場にへたりこむ。
嫌なわけ、ないじゃない。ずっと好きだったんだもん。だけど・・・場所ってもんがあるでしょーよ・・・。
気がついたら、あたしは公園のベンチに座って泣いてた。ケータイを取り出して時間を確認すると、画面に「1:17」と表示されていた。午後の最初の授業がもうそろそろ終わる頃だ。あと一時間で学校は終わる。
「・・・謝り、行かなきゃ・・・」
あたしは重い頭をぶんぶんと振って、立ち上がった。目がはれぼったい。でもあたしは学校へ歩き出した。
学校へ着くと、まだ次の授業までの休み時間だった。次の授業は、あたしが受けたくなかった数学。・・・やっぱり、出る気にはなれない。あたしは外で峻を待とうと思った。
「おい、あれ、安西じゃね?」
「お〜、今頃来たのかよ。っつか、今朝のスゴかったよな〜。村岡との熱烈キスシーン」
「・・・ちょっと、おもしれぇこと考えたんだけど」
――・・・・・・―――
「う〜わ、鬼畜〜!!よくそんなこと考えつくよなぁ」
「だってよぉ、安西は学校来ると目障りだし、村岡だってなんかウゼーと思ってたしさ」
「でも、いいんじゃん?それ。こらしめっつーか、おしおきだよ、たまには」
「ああ、おしおき、な」
・・・もちろん、そんな会話はあたしの所まで聞こえてはいなかった。
何分後かして、授業終了のチャイムが鳴った。あたしは待ちきれずに学校の中に入って、峻に会いに行こうとした。靴を履き替えようと思って、靴箱に手を突っ込んだとき・・・。
―――ガサッ―――
「・・・何これ、手紙?・・・峻から??」
―陸へ。
今朝はごめん。謝りたいんだ、校舎裏来てくれる?松の木の下で松。
峻
松・・・って。。。あぁ、待つってことか。でも、謝ってくれるんだ!仲直りできるんだ!!そう思って、あたしは手紙を握り締めて校舎裏へ行った。
だけど、校舎裏で待っていたのは、峻じゃなかった。
「何・・・これっ・・・??」
松の木の下にあったのは、血まみれのカッターナイフ。拾った瞬間、なんか仕掛けがしてあったんだと思うけど、木の枝の上から何かが落ちてきてぶら下がった。それは・・・
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっ!!!!!!!!!」
――猫の・・・猫の、死体!!!――――
誰か、誰か・・・峻!!そう心の中で叫んだとき、本当に峻は現れた。手に、何か手紙みたいな物を握って。それがあたしが受け取った物と同じ物だって気づいたときには、周りに人が集まってきてて、みんなあたしを白い目で睨んでた。
なんかの教科主任があたしに詰め寄る。