Heaven knows.-1
「うっ、わあ」
「はーい、珠理(シュリ)行ってらっしゃ〜い!」
「マジな訳?」
「当然よぉ!…あたし達5人でじゃんけんして、負けた一人が様子見に行く、って決めたでしょ?」
「ひぃ〜ん、アヤちゃん厳しい。誰が一緒に行こ?」
「あはは、だーいじょぶだって珠理!」
「ほら、さっさと行って来なよっ!待ってるからさ」
「う、うんっ……行って来る」
じゃんけんで一人負けした私が行く事になったのは、学校の裏山にある小さな社(やしろ)。私を含めた仲良しな5人で見付けた、古びた「それ」。
そのお社は一般的にある仏壇程のサイズで、それこそ仏壇のように観音開きの扉があった。
最初に見付けた時には扉に閂のような物が付いていたのに、二度目に見た時にはそんなものは見当たらず、しかも、扉は開きかけていた。
それに気が付いた私が、4人に教えると、アヤちゃんが途端に張り切って「中身を見に行こう!」と言い出したんだけど、一人が気味悪がったせいでじゃんけんになって、今に至っているんだけれど。
――そもそも、なんでそんな社を見付けたかと言うと、私への告白がきっかけだった。