投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

恋心に、イエス!
【学園物 恋愛小説】

恋心に、イエス!の最初へ 恋心に、イエス! 6 恋心に、イエス! 8 恋心に、イエス!の最後へ

恋心に、イエス!-7

「……僕を試すのは良いけれど、自分のできる範囲にしておきなよ。後から冗談だった、じゃあ済ませてあげないからね?」

「……っ」


 僕はノーとは言わないよ、と笑う。
 少しの、ほんの少しの動揺もなく、そんな、


「三秒ルール、ね。三秒なら待ってあげる。それ以降の取り消しは利かないからね。いくよ、いーち、にーい……」

「あっ」


 堪えきれずに声を上げた私を優しい顔で見下ろして、ミヤせんせいはカウントをやめた。
 恥ずかしい。恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい……!!
 私はミヤせんせいの目を見られなくて、俯いたまま、小さい声で、


「……うそ、だよ。ここでエッチしようっていうのは、嘘。……ごめんなさい」


 ミヤせんせいは何にも言わない。
 静かなのが怖くって伺うようにせんせいを見上げたら、優しい優しい瞳が私を見ていた。
 

 そのまま、小さなくちづけが落ちてくる。

 触れあうだけの優しいキス。


「……イイ子だね、ひなた」



 これじゃあまるで子ども。

 困らせようとしてワガママいって、思い通りにいかなくてふて腐れて。
 できもしないことをいって試して、逆に試されて。


 ……じぶんが恥ずかしくて、いますぐ消えてしまいたい。


「ミヤせんせいの、ばか」


 違う、ばかは私だ。


「ミヤせんせいは私のこと、笑顔であしらってるみたい」


 そんなことない。いつだって優しくて、一番に私のことを考えてくれてる。


「……ばかにされてるみたい」


 それは私がバカだか、ら。


恋心に、イエス!の最初へ 恋心に、イエス! 6 恋心に、イエス! 8 恋心に、イエス!の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前