恋心に、イエス!-7
「……僕を試すのは良いけれど、自分のできる範囲にしておきなよ。後から冗談だった、じゃあ済ませてあげないからね?」
「……っ」
僕はノーとは言わないよ、と笑う。
少しの、ほんの少しの動揺もなく、そんな、
「三秒ルール、ね。三秒なら待ってあげる。それ以降の取り消しは利かないからね。いくよ、いーち、にーい……」
「あっ」
堪えきれずに声を上げた私を優しい顔で見下ろして、ミヤせんせいはカウントをやめた。
恥ずかしい。恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい……!!
私はミヤせんせいの目を見られなくて、俯いたまま、小さい声で、
「……うそ、だよ。ここでエッチしようっていうのは、嘘。……ごめんなさい」
ミヤせんせいは何にも言わない。
静かなのが怖くって伺うようにせんせいを見上げたら、優しい優しい瞳が私を見ていた。
そのまま、小さなくちづけが落ちてくる。
触れあうだけの優しいキス。
「……イイ子だね、ひなた」
これじゃあまるで子ども。
困らせようとしてワガママいって、思い通りにいかなくてふて腐れて。
できもしないことをいって試して、逆に試されて。
……じぶんが恥ずかしくて、いますぐ消えてしまいたい。
「ミヤせんせいの、ばか」
違う、ばかは私だ。
「ミヤせんせいは私のこと、笑顔であしらってるみたい」
そんなことない。いつだって優しくて、一番に私のことを考えてくれてる。
「……ばかにされてるみたい」
それは私がバカだか、ら。