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恋心に、イエス!
【学園物 恋愛小説】

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恋心に、イエス!-4

 すぐに言い返したら、ミヤせんせいはきょとんとした顔で私を見返してくる。
 だって、だってだって、


「……せっかく二人きりなの、満喫したかったのに」


 すっかり寝てしまっていたせいで、もう教室に行くまで十分ほどしかない。
 ちょっぴり落ち込む私にミヤせんせいはぱちぱちと瞬きをして、次にはあはは、と声を上げて笑った。

 む。


「もー、なんで笑うの」

「だって、あんまり可愛いから」

「……そうやってごまかす」

「ごまかしてないよ。正直に言っただけ」

「……むー……」


 ちょっと拗ねてみた私に、眉を下げて困り顔をつくるミヤせんせいが全然困っていないなんてすぐに分かる。ミヤせんせいを困らせるのはものすごく大変なんだって、最近私は分かりつつあるのだ。

 だから今日も、カカンに挑戦。


「笑った罰に、なにかしてくんなきゃダメだよ」

「うん?」

「じゃなきゃ機嫌なおしませーん」


 わざとイジワルに言ってみたら、堪えきれないようにミヤせんせいはふふっと笑いをもらした。


「あー!!いま」

「笑ってない笑ってない。ね、僕は何をしたらひなたに許してもらえるの?」


 嘘だ、笑ってる。

 どんどんむっとしてきた私は椅子から勢いよく立ち上がって気合いの仁王立ちをしてみる。対するミヤせんせいは椅子に座ったまま少し姿勢を正すと、真面目な顔をしようとしているみたい。でも口元が緩んでるのがばればれだ。むーー。


「……今日一日、ミヤせんせいは黒板消し禁止!」

「黒板消し禁止?」

「そう、間違えても消せないの!」

「ふふ、いいよ」

「(あっさり!)」

「で、それだけでいいの?」

「な、な、まだだよ!こんなのまだジョノクチだからね!?えーっと、ミヤせんせいは今日一日……日本語を書いちゃだめ!」

「あはは、楽しそうだね、いいよ」

「(いいの!?)」


 ミヤせんせいは現代文の先生で、日本語を書かないとなると……え、いいの!!?


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