ラブホーム-3
「はっじさっらし。はっじさっらし」
でも。
「あ?何?何で?」
でもさ。
「今の、あっくのことだよ」
アタシさ。
「えっ、げっ!マジで!?うわーごめんな、あっくー。あっくは母ちゃんの百万倍可愛いかんな?な?」
すっげー嬉しかったよ…。
「それはアタシも認める」
帰りの車内。
「なぁー、あっくももうすぐ歩くようなるだろ?」
「ん、まぁ。もうちょいすりゃ歩くだろうね」
今やっとハイハイ出来るようになったんだけどね。
「そしたらさ、三人で旅行行くか」
「え?」
何でいきなり?
「いや、近場でいんだよ。近場で三人で写真とか撮って、何か美味いもん食って」
ああ。
そっか…。あんたは知ってたんだね。アタシが旅行誘われたこと。
よくよく考えれば情報源は身近にいたね…。
「ん、いいよ。楽しみだねー、あっく」
バックミラーに写る二つの笑顔。まるで満開の花みたい。
ありがとうね、父ちゃん。
【end.】