「熟女と野外初プレイ」-2
そうこうするうちに、車はI山の麓(ふもと)に到着した。
車を林道の脇に寄せて停めると、ふたりは車を降りて、山の斜面を登りはじめた。
ところが、この斜面には道もなければ、斜面の角度も生半可ではないのだ。
ふたりは斜面に這いつくばって、無様な恰好も気にすることなく登るしかなかった。
男の猛はともかく、長靴履きの中野さんは、腐葉土の積もった斜面にズルズルと足元を滑らせるばかりで、なかなか登ってこれないのだった。
「中野さん。
ボクの手に掴まって」
猛は片手でクヌギの立ち木に掴まって身を安定させると、もう片方の腕を彼女に向けていっぱいに伸ばした。
中野さんも下から大きく腕を伸ばし、ふたりはギリギリのところで、指を絡め合い握り合っていった。
決して軽いとはいえない彼女の全体重が、猛の腕にかかってくる。
彼は中野さんと握り合っている腕を、ギリギリと引き絞るようにして引っ張り上げた。
それに合わせて彼女の身体が歩、一歩と動いて、ゆっくり足を運び上げはじめた。
屁っぴり腰の哀れな恰好だ。
そして、とうとう彼女を自分の横まで引き上げるのに成功していた。
「中野さんは樹木や潅木(かんぼく)に掴まりながら、身体を引っ張り上げるようにして登ってください。
ボクが後ろから腰を押してあげますから」
「えっ、腰を押してくれるの?
私、お臀が大きいから……」
中野さんがあとの言葉を飲み込んで、含羞(がんしゅう)の色を浮かべた。
しかし、いまはそんなことを羞ずかしがっているときではなかった。
猛は「さあ」と声をかけて彼女の後ろにまわると、その腰を両側から掴み
持ってグイグイと押し上げた。
中野さんのやや小肥りの身体が、徐々にではあるが斜面を登りはじめる。
猛は腰を両側から掴み持っている手に、
男の腰にはないやわらかさを感じていた。
着衣の上からとはいえ、
こんなふうに女性の腰に触るのは初めての経験だ。
それに左右の足が斜面を登るたびに、
紺色のズボンに大きな臀とパンティのラインが、
くっきりと浮かびあがる。
それをこんな間近に見るのも、
初めてのことである。
ズボンの中の男が反応して、
身じろいでいるのが分かった。
そのときだ。
中野さんの履いている長靴が、朽ちた腐葉土にズルズルッと滑った。
彼女が掴まっていた潅木が、爆ぜたような音をたててボキボキと折れた。
「キャーッ」
大きな悲鳴とともにバランスを崩した中野さんが、
もんどり打って斜面を転がり落ちていく。
猛もそれに巻き込まれて、
いっしょに転がり落ちていった。