アフターダーク-4
僕はビルの縁に立って街を眺める。
何て、清々しい気分なんだろう。
何も出来ないと思っていた僕。
それは単なる思い込みだった。
出来ないんじゃなくて、やらないだけ。
しようとしないだけ。
この翼は夢じゃない。
夢なら当の昔に覚めている。
そう。
僕はまだ何もしていないんだ。
「…飛べるよ、何処へだって」
ビルの縁を蹴って空に舞う。
赤紫色の空に僕が舞う。
「行こう。前へ」
進め。
fin.