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アフターダーク
【二次創作 その他小説】

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アフターダーク-1

僕の人生は平凡だった。
普通に学校に通い、普通に就職した。
他の人間と何ら変わらない日常。
淡々と過ぎていく日々。
別に不満もなかったし、ぼちぼち楽しかったし。

そんな日常が非日常に変わったあの日は、けたたましくなる目覚まし時計から始まった。



*アフターダーク



ピピピピッ
ピピピピッ

いつも通りの朝。
いつも通りに目覚まし時計が鳴る。時刻は7時53分。
それを消してベッドから降りる。

「…ん?」

背中に違和感。
何だろう、もぞもぞと気持ち悪い。
寝巻の上着を脱いでみた。
すると、

「なんだ、これ」

上着を脱ぐのと同時に床に落ちた白いもの。

「…羽根?」

落ちたものの一つを拾ってみる。
どう見ても羽毛布団とかに入ってる羽根。いや、それよりももっと羽根らしいというか。

「なんで…あれ?」

そういえば、違和感があったんだ。
その違和感はまだ続いている。

「え…何…」

背中に何かがあるのかと洗面所へと向かう。
そこで僕が見たもの。

「…マジかよ…」

翼。
翼が生えている。
真っ白な綺麗な翼。
背中からの長さはざっと20センチくらいの、小振りの翼。

「え…何…?何がどうなってんの?」

漫画やSF・ファンタジー映画、はたまたゲームの中でしか見た事のない翼の生えている人間。
その有り得ない人間に、今僕がなっている。

「あー…、どうしよ…、仕事…あー訳わかんねー」

自分のおかれた状況がいまいち理解出来ない。
夢なのか?
僕はまだ夢を見てるんじゃないか?
引っ張ったらこの翼だって…

「…っっ!!いってー!!」

駄目だ。
これ、夢じゃない。
あ、血ぃ出てきちゃった。

「と、とりあえず、仕事…仕事…」

混乱してテンパりまくりの僕でも、身体はいつものように動いてしまう。
この時間はもう仕事に行く準備をしなければ。
翼の事はまた帰って来てから考えよう。
そう思った僕は、ベッド脇にある黒のタンスを漁り、そこから少し大判の包帯を取り出して、それを翼と背中にぐるぐると巻き付けた。
女の人が胸を隠すときに巻くさらしみたいだ。
僕の場合は隠すものがだいぶ違うが。

「…うん、これでよし」

応急措置を済ませて、その上にスーツを着る。
うん、翼があるなんてわからない。

翼があるなんて。


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