超最強嫉妬彼女 前編-16
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適当に時間を潰してから、ホテルへと向かった。
相変わらず気分は乗らないが、まあ抱ければそれでいいか。
腕を絡めてくるミキは相変わらずニコニコしている。
この女は悩みなんかないんだろうな。
そんなことを考えながらホテルのロビーに入ろうとしたときだった。
「公也ぁっ!」
「……は?」
振り返ると、花耶がいた。
なぜか汗だくで息も荒い。
それよりも…
「なんでお前がここにいんだよ」
「別になんでもいいでしょ!」
花耶のやつ、俺が電話で待ち合わせの時間と場所を言ってたのを覚えてたのか。
そんでもって今までずっと後をつけてたのか。
やっぱりわけがわからねえ。
「誰よこの女」
ミキは俺にそう言った。
つーかお前は俺の女じゃねえだろ。
花耶はそんなミキの言葉を無視して手を俺に向けて差し出した。
「公也」
「……」
夕方の出来事が脳裏に浮かぶ。
そんなに嫌なのかよ。
花耶…
「……ったく」
俺は溜め息を吐いて、ミキの腕を振り払った。
「わりぃ、ミキ」
「はぁ?」
ミキはわなわなと震えている。
俺は花耶の横まで行き、花耶の頭をがっしりと掴む。
「うわっ」
「…本当バカだなお前」
「……うん」
「待てよ!」
そのまま帰ろうとしたとき、ミキの叫ぶ声が後ろから聞こえた。
後ろを振り返ると、いつからいたのか、でかい男が二人、ミキの後ろに立っていた。
「……」
なるほどな。
今までも何度かあった。
同意の上でヤったのに、帰りに男を呼んで金を払わせるってやつだ。
俺は別に喧嘩が強いわけではないが、とりあえず今までの奴らはこっちもボロボロになりながら返り討ちにできた。
またそのパターンか。