超最強嫉妬彼女 前編-17
「ヤられてから慰謝料を払わせようと思ったけど、あたしに恥をかかせてくれたお礼はしてやるから！」
はいはい、わかってるって。
だがまずい。
今までは一対一だったが、今回は二人ががりときたもんだ。
ましてや…隣にはちっこい女が一人。
つーか、なんだよこのドラマみたいな展開はよ。
女は出てくるし男は出てくるし。
「…ちっ」
俺は気を取り直して、一歩また一歩とミキの方へ向かっていった。
「…公也」
なに心配そうな顔で俺を見てんだよ。
すぐに男の一人が殴りかかってきた。
もう一人は真っ直ぐに花耶へと向かっている。
やべえ…
花耶は捕まればヤられちまう…
俺は一人目のパンチを避けるとすぐさま振り返り、花耶に向かった男に跳び蹴りをかました。
俺はいいけどよ…花耶くらいは守らねえとな。
「ぐあっ！」
だが、やはり状況は悪い。
もう一人のやつに後ろから横腹を殴られた。
続けざまに倒れていた男が起き上がって俺の顔面を殴る。
「がはっ！」
意識が朦朧としてきた。
ああ…やっぱ俺じゃだめだ。
花耶…逃げろ…
「わ、た、し、の」
…！？
「公也に手を出すなあああああ！」
…あ
花耶の声が聞こえた途端、一人の男が目の前で派手にぶっ飛んだのを見て大事なことを思い出した。
別に俺が守ることなかった。
「公也に触るなあああああ！！」
花耶はスカートを翻しながら、もう一人の男の首にハイキックを決めた。
今、首から嫌な音がしたぞ…
そして、倒れている男二人に向かって花耶は言った。
「はぁ…はぁ…公也は私の物なんだから」
最初はミキに嫉妬してたと思ったが…
何に対しても嫉妬するのか、こいつは。