超最強嫉妬彼女 前編-11
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翌日、俺は何事もなかったかのように登校し、教室に入った。
「うぃーす」
特定の誰に言ったわけではないが、とりあえずいつものようにそんな言葉をクラスメイトに投げかけた。
だが…
教室は俺が入ると同時にしんと静まり返った。
しかし数秒後、昨日の放課後のように皆揃ってひそひそと小声で会話を始めた。
俺の顔を見ながら。
「……あ?」
最近、イラついてばかりだ。
なんとなく本藤が転校してきてから浮き足立ってる気がする。
だが、恨まれることなど慣れっこな俺は、それ以上気にせずに席についた。
まあ無理もないさ。
噂の美人転校生までも、俺はあっさりと振ったのだから。
お前らにとっては本藤が俺に抱かれなかったことだけでよかったと思うがな。
俺はあいつを抱けなくなったために、あいつに対する興味はなくなっ…てもいないか。
あいつの意味不明な行動は、なんとなく面白いと思う。
あのボディーブローは半端じゃなかったが。
本藤は遅刻ぎりぎりに教室に入ると、ひどく暗い顔をして席についた。
それを見てまたもざわつく教室。
まったく飽きないやつらだ。
その日、俺は一度も本藤と口を利くことはなかった。