ふつう-第九話-4
で、ご飯食べ終わった頃には日付もとっくに変わってたから、もう遅いってことで鷹丸くんに送ってもらったんだけど。
でも、頭がずーっとボーっとしてる感覚で、細かいとこまでよく覚えてないんだよね。
自分が鷹丸くんの彼女であるということが、まだ実感出来てなかった。
でも唯一強烈に頭に残ってることがあって、それは御両親のこと。
お母さんもお父さんも、目茶苦茶若い!
お母さんなんかモデルさんみたいに綺麗だしスタイル抜群、お父さんも黒のミディアムロングにパーマで、俳優さんみたいなかっこよさで…おまけに鷹丸くん同様にタトゥーが尋常じゃなく…。
蛙の子は蛙、だっけ?
使い方違う?
やっぱりまだまだ鷹丸くんには敵わないかな…。
でも御両親とも凄いフランクで、“泊まっていったら?”なんて言って頂いたしお酒も進められたし、あらゆる面でうちの親とは大違い。
鷹丸くんが鷹丸くんである理由の一つが、また分かった気がする。
半年くらいたった今でも、まだまだ新しい発見で一杯なんだけどね。
それからだいぶ日が経ち。
学校にて。
授業終わり、二人で帰ろうとしていた時。
「よう、鷹」
「あっ、こんちわっす」
「これから帰るのか?」
「はい。これからバイトなんで。先輩は部活すか?」
「ああ。そのあと○○高のやつらとも練習なんだけどな」
「○○高の文化祭近いんでしたっけ?」
「来週、だな。鷹その日ヒマか?」
「たしかバイトも無かったし、空いてますよ」
「じゃ見に来なよ。○○高の俺の彼女とか、あと連れも紹介したいし。一人さ、向こうのダンスサークルに鷹と同じようなちょっと変わった奴いるから。多分話合うぜ」
「マジすかっ。楽しみっすね。絶対見に行きますよー」
「おう。じゃまた連絡するわ。じゃな」
「はいっ、失礼しますっ」
あの人は確か、一つ上の先輩。
イケメンだけど、恐いんだよなー…。
いつの間に知り合ったのやら…。