ふつう-第九話-3
それで…それでね…
「…好き…なの…」
「パツ子…」
「…忘れ物は、今の言葉です…。好きなんです…」
言っちゃったー…。
って、お互い黙っちゃったし…。
あー……なんか気まずい…。
どうしよう…。
と、鷹丸くんが、俯いたままだった顔をあげた。
「パツ子、付き合って」
「えっ!?」
えっ!?
「俺と、付き合ってください」
「えっ…あの……私が…?」
「この部屋には俺とパツ子しかいないよ」
「あっ…そうだよね…。でも…私……普通だし…鷹丸くんみたいに面白いとこないけど…」
「…俺がパツ子を好きになった時点で、もうパツ子は俺にとって普通じゃない。特別な存在なんだ」
「あ…………ありがとう」
…そこからのことは、よく覚えてない。
一度キスをして、さぁこれから…ってタイミングで御両親が帰宅なさってきて。
そういえば夕飯食べてなかったねってなって、鷹丸くんちのリビングで鷹丸くんと御両親と私でご飯食べて。
その時に鷹丸くんが御両親に
「俺の彼女の白木救さん。親父もお袋も仲良くしてやって」
って紹介してもらって。