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SWEETHEART
【コメディ 恋愛小説】

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SWEETHEART〜目覚め〜-6

『コツコツ………』
京の後ろから足音がした。
「しつこいな……!」
振り向くとそこには、見知らぬ男が立っていた。
(…………誰だ?)
男はスーツを着ており、教師のような姿だった。
(ここの先生かな?)
男はじっとこっちを見ている。
「やあ、京くん」
また振り向くと体育館の入り口にキリ・ドッグが立っていた。
「あぁ、何やってんだ、そんなとこで?っていうかこの男の人、先生?知ってる?」
「あぁ、知ってるよ。ファントっていう名前なんだ」
「知ってるのかよ!?………あの、僕に何か?」
「ちょっと任務でね、君を倒さなきゃならないんだ。協力してくれるかい?」
「!!!???」
「ちょっと!キリ・ドッグ!助けてく………」
京がキリ・ドッグに助けを求めようと振り向くとキリ・ドッグは京の目の前におり、キリ・ドッグの右足もまた京の目の前にあった。
『ドガッ!!!』
京は顔面を思いっきり蹴られよろめいた。
「昨日はマリーン星人の助けがあったみたいだがな、今日は期待するな」
(何言ってんだ………?)
「まだ気付かない、おれたちはキリキリ星人だ。ただし、おれたち二人はライとは一味違う」
「な、なにがだ………」
「おれは変身の応用で分身を作れる。ドッグは細胞レベルで変身できる」
「細胞レベル………?」
「つまり…………」
ドッグの声に反応し京が振り向いた。今度は右手が目の前にあった。
『ゴン!!!』
さっきの蹴りのダメージもあり、意識はあるものの京は倒れた。
「弱い身体能力も変えることができるわけだ。マリーン星人にも負けないほどにな」
京は絶望的だと思った。まず、自分がこんな宇宙人と戦えるわけがないと。
「京ー!!」
「!?」
校舎からリカの声が聞こえる。
『ダダダダッ』
「ほう………」
『ドンッ!!!』
ものすごい勢いでリカがやってきた。
「京に何してるのよ!」
「やはりドッグがそこまでやると気配は強くなるか………。まぁ、関係ないな。いいぞ、相手してやる」

リカが飛び出す。
「ただし…………」
『ブゥゥーン』
「え!?」
ファントの体から、幽体離脱のようにファントが出てきた。
「真っ正面からぶつかるかよ!」
ファントの分身は本体も含め10体になった。
「とりあえず捨て駒だ。ただし、時間はねぇぞ」
そういうと、ファント本体は京の方に向き直り、ファントの分身は一斉にリカに飛びかかった。
「ま、息の根を止めないとな…………」
「くっ、おい!京に手ぇ出すな!」
リカはファントの分身相手にてこずっていた。1体ならまだしも、9体となると数的に不利であるし、何より分身なだけあって連携攻撃が完璧でなかなか反撃のタイミングがなかった。
「マリーン星人は力は強いがもっと頭も強くした方が………いいだろ!」
『ドスッ!!』
「ぐっ!!」
ドッグはそういうと、倒れこんでいた京を思いっきり蹴りあげた。威力は常人の蹴りではなく、京の体は校舎の屋上近くまで飛んでいた。
「落ちて終わりさ」
「京ーーー!!」
ファントの分身の残り3体と対峙しながらリカが叫んだ。そして、リカはその場で思いっきり踏み込んだ。
京が浮いているところまで飛ぼうというわけだ。


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