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ふつう
【青春 恋愛小説】

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ふつう-第七話-1

大海の話を聞いてから一週間。

今では大海は普通に鷹丸くんと話をしている。
以前となんら変わらない、友達同士の会話。

何はともあれ、大海が鷹丸くんと普通に話せるようになって、良かった。

普通フラれたら気まずくなりそうなもんだけど…やっぱり大海はすげぇなー。



で、もう一つ何も変わらないことが。

それは、鷹丸くんと私の関係。



大海とか清さんにあんなこと言われたお陰でかなり鷹丸くんを今まで以上に意識しちゃってるけど…肝心の彼は全くそんな気配はない。

今までと変わらずパツ子と呼ばれ、たまに気難しい話をしては急に悪戯されたり。
全く変わらない。

変わったのは私だけ…かな。



そういえば清さんに名刺貰ったけど連絡してないなぁ。
お店にも行ってないし。

今日バイトも無いし、学校終わって一旦帰って着替えて、行ってみようっと。
お金は…正直あんまり無いけどね…。



帰宅後、チャリで繁華街の方へ。
kiLLに行くわけだし清さんにも会うわけだから…精一杯のお洒落はしたつもりだけど…変じゃないかなぁ…。



と、着いた…。
“kiLLtonE”って、オーナーさんの好きなアーティストの曲名から頂戴したとか、前に鷹丸くんが言ってたなぁ。



「ヒップホップ、ポストロック系の西海岸アングラレーベルからリリースしてる人で、クリック、ノイズ、ドゥームとかドローン、あとアンビエントとかの要素のある曲で…」



なんてこと言ってたけど…知らねー!
“ヒップホップ”以外は一個も分からん…。



ってもしかして、鷹丸くんもいるのかな!?
やべー…変な汗が…。

改めて私の服、変じゃないかな…。

まずは普通にレディースフロアーから行こうっと…。



「いらっしゃいませっ。…あっ、救ちゃん!」

「清さん…こんにちは。へへ…来ちゃいました…」

「いらっしゃーいっ。あれから一週間くらい経ったのに連絡くれないから、ちょっと不安だったんだよー?」

「あっ、ごめんなさい…。地味に忙しくて…」



ほんとは嘘です…ごめんなさい…。


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