ふつう-第六話-3
「あぁ、これですかっ。そういえば鷹丸くんのはちょっと違うかも…」
「でしょ?あの子はほんっとに太いパンツが大好きだからさぁ」
「そうなんですか…」
「あっ、ねぇ、今度お店来てよ?鷹もいるしさっ」
「えっ…でもkiLLは…すごいお洒落だし…私行っても買えないです…」
「でも見るのはタダだよ?試着だってタダだし。別にお喋りしに来てくれるだけでもいいんだよ?もう私と救ちゃんは友達なんだから」
「そっ…そんな…友達だなんて…」
「あらっ、まずかった?」
「いっ、いえ!嬉しいです!お金貯めて行かせてもらいます!」
「ははは!まぁ何か欲しいのあったらさ、私が代わりに社販するから。すっごい安く出来るよーっ」
「あっ、ありがとうございます!絶対行かせてもらいます!」
「うんっ。あっ……これ、私の名刺。あげるね。ちょっと待って、アドレスも書くから……………はいっ」
「ありがとうございます!」
「気軽にメールとか電話してね?今度はちゃんとしたご飯食べに行こうよ」
「はいっ!是非!」
一時間ちょいくらいして、私達は別れた。
奢られてしまったよ…。
帰り際も清さんは手を振って見送ってくれて、思わず振り返って事故りそうになったくらい、最後まで可愛いかった。
それでいてラフで気さくで飾らず、よく笑いよく話し、ほんとにお姉さんみたいだった。
私が男だったら…惚れる!
てかもう惚れてる!
ああいう女性になれたらなぁ…セフレとかは嫌だけどなぁ…。
この名刺は後生大切にしよう…。
お店にも遊びに行こうっと。
それにしても清さんの話にあった“救ちゃんなら鷹と合ってる”っていうのはどういう意味なんだろ。
まさか“彼女”としてではないだろうけど…でも清さんみたいな人にそう言ってもらえると嬉しいなぁ。
今日はきっと安眠出来る!
と、予想通り爆睡した翌日学校に行くと、いつもとちょっと雰囲気の違う大海が。
何か、暗い?