男を好きな彼を好きなあたし。-1
「あの、あたし…吉沢さんの事好きになっちゃったんです…。もうなんか運命ってゆうかぁ…。もし良かったら、付き合ってもらえませんか…?」
「…ごめん…。麗菜ちゃんの気持ちは嬉しいんだけど…、俺、前の恋人の事忘れらんなくって…」
「…あ…、…そうなんですか…。前の人の事、すごい好きだったんですね…」
「あぁ…。俺の前ではすっごい素直でコロコロ表情の変わる…、まるで子猫みたいな人だったよ…」
「子猫…か…。可愛いんでしょうね、その人…」
「写真あるけど、見るかい?」
「え!?いいんですか?」
「構わないよ。…あった。これだよ」
「…………え?」
あたし、藤原麗菜。24歳独身、彼氏なし。
こないだの合コンで、あたしはバッチリタイプを見つけてしまった。
タイプの彼は吉沢徹、27歳。大手企業に勤めるエリート会社員。
見た目は本当に最上級。艶やかな黒髪はダサくない七三で分けられてて、切れ長の瞳は女の(てゆうかあたしの)ハートを掴ん放さない。形の良い唇は厚すぎず薄すぎず…、あの唇でキスでもされようもんなら、まさに極楽浄土さながらの気持ち良さを味わう事が出来るんじゃないかっていうくらい。
そんな彼…。性格も優しくてもろタイプ。
…ただ、ナル入ってんのが玉に瑕だけれども。
で、出会って3日で即アタックした訳なんだけど、…あーっさりフラれてやんの。
あーぁ…。全く、こんな極上モン捨てる女ってどんだけ良い女なのよ。
あ、写真見せてくれるの?ラッキー。どれどれ…。
…………え?
「あ…あのぅ…、吉沢さん?」
写真間違えてんですけど。
友達か誰かかしら?この人もすっごいいい男!
筋肉質な爽やかガテン系って感じ?超色白だけど…。
やっぱいい男のとこにはいい男が集まるのねぇ。
「…これ…」
「はぁ…。今頃どこで何してるんだろう…、裕也…」
「………は?」
…裕也?
「あの…、この写真…」
「ん?どうだい?子猫のように可愛いだろ裕也は」
「……ばっ」
バッカじゃないのォォ!!
どこをどう見たらこの色白マッチョが子猫に見えんのよ!どうひいき目に見てもベンガルトラ…もといホワイトタイガー(超希少動物)でしょォォ!!!