ふつう-第四話-5
「明日祝日で学校休みじゃん?鷹丸くんもバイト休みらしいし、オッケーだってー!」
「…ほーぅ。で?」
「とりあえずお昼くらいに○○駅の西口集合でね、あと××と△△にも行ってね…あ、あと映画も観たいなーなんて!」
「一日にそんなに…?」
「だって鷹丸くんと二人でなんて初めてだし…やっぱり楽しみたいからねぇー!お洒落なカフェにも行きたいし…うふっ!あっ、明日Freakはやってる?」
「あ…えーっとね…あ、確か休み…だったかな」
嘘です。
ばっちりバイト入ってます。
でも二人で揃ってるとこなんて見てられないし…。
「えーっ!なーんだ…。じゃあ他に探すかー…。ねぇねぇ、どこがいいかなー?」
「あ…うーん…。あ、鷹丸くんがどこか知ってるんじゃないかな?ほら、他のショップとかカフェとかバーにも先輩とか知り合い多いしさっ」
「え、そうなの?初耳…。なんですくがそんなこと知ってるのー?」
「…えっ?それは…前に鷹丸くんがそんなこと言ってたから…」
「…ふーん…。すくー、鷹丸くんに詳しいね…。そういえばこの前鷹丸くんにすくの携番聞かれたし…」
「そっ…それはそんなたいしたことない用事の為だったし…。普通の友達だよ…」
「……ふーん…。ま、いいやー。デートプランは鷹丸くんと決めよっと!今日の夜も電話しちゃおうっかなー!うふっ!」
「はは…。ま、まぁ…頑張って…」
こういう時、大海が羨ましいって思う。
ガンガン自分から積極的に行けるっていうかさ。
私は一歩引いちゃうんだよなー…。
鷹丸くんに関しても、私は普通の友達だし…。
てかそもそも普通って何?
何が基準で普通で、どこからが普通じゃないんだ?
…なんて、鷹丸くんの考えが移ったみたい…はは。
…よそうか。
大体鷹丸くんは確かに何考えてるのかよく分からないとこあるし…今だに謎な部分の方が多いし。
彼の目には私はどう映っているんだろう…。
私の名前誉めてくれたのもただの気まぐれなのかな…。
たったそれだけのことでも私は嬉しいのに。
鷹丸くんの隣で仲良く話してる女の人見たただけでも、苦しいのに。
…なんて、これはまずいぞ…。
これじゃマジで、私鷹丸くんに恋して…。