ふつう-第四話-4
「そんなことないよ。別にそういう感情無いし」
「鷹丸くんってやっぱり清さんみたいな、ああいう大人の女の人がタイプなの?」
「えっ…なに急に?」
「あっ…いや何となく…」
「うーん…意識したことないなぁ。でも年は関係ないかな。自分を持ってる人ならね」
「鷹丸くんが今まで付き合ってきた人も、そうだった?」
「いや、うーん。そんなことはないかな」
「そういえば、鷹丸くんて告白ってするの?」
「いや、無いね。自分からしたことは無い」
「じゃあ全部告白されたわけ?」
「ああ。でも全員にフラれたけど」
「えっ!?コクられて、フラれたの!?」
「ああ。皆口を揃えてさ、“何考えてるか分からない”とか“達観し過ぎ”とか“私のこと見てくれない”とか“話が難しい”とかそんな感じのこと言ってさ。まぁ俺から見れば、俺の方こそ見てもらってない気がしたんだけど」
「なんか分かる気がする…」
「どっちの気持ちが?」
「どっちも。鷹丸くんの元カノさん達の言ったことも、鷹丸くんの気持ちも」
「ほーう…今まであんまり…」
「鷹丸くーん!」
あっ…大海だ。
「ちょっといいかなー?」
「えっ?あ…あぁ。ちょっとごめんね、パツ子」
「あ、いえいえー」
大海に呼ばれて鷹丸くんは廊下に行った。
なんだろう。
大海のことだから…もしかしたら…。
暫くして、大海だけ戻ってきた。
鷹丸くんは他のクラスの友達に呼ばれてそっちに行ったそうな。
「ねーねーすくー!私、鷹丸くんデートに誘っちゃった!」
ほら、予想通り。