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ふつう
【青春 恋愛小説】

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ふつう-第三話-1

気温が高くなってきた。
もう春は終わりで、夏。

制服も夏服に変わって、装いも新たに夏に突入した。

そして今日は、お待ちかねの……プールだ!!
朝から皆がいつも以上に元気なのは、これのせいだ。
早く四限目が来ないか、そんな空気が流れている。特に男子の間で。

しかし、一人浮かない顔がいる。
隣の鷹丸くんだ。



「鷹丸くんどうしたのー?元気ないけど…」



ニ限目の休み時間になって、わざわざ振り返って大海が話し掛けた。
私は二人のやり取りを見ている。



「いやー……プールがね…」

「あっ、もしや鷹丸くん泳げないとか!?」

「いや、泳ぐのは好きなんだけどね…ちょっと…」

「お腹痛いとか?」

「んー…ちょっとごめん…」



そう言って鷹丸くんは教室から出て行った。
どうしたんだろう…。



「鷹丸くん、行っちゃった…」



持ち主のいなくなった机を見ながら、大海が呟いた。



「大海、どしたー?」

「いや、もうちょっと話したかったなーって思って。何かまずいこと言っちゃったかなー…?」

「大海は何も変なこと言ってなかったでしょ。別に気にすることじゃないと思うけどー」

「うーん。でも大丈夫かなぁ」



大海は恐らく、鷹丸くんに好意を抱いている。
鷹丸くんのバイト先のショップに行ったり、メール送ったりしてるっぽいし、ここ最近の大海を見てれば何となくそう感じる。
私にも「席が隣で羨ましいぜっ」、なんて冗談めかして言ってくる辺り、間違いないんじゃないかな。

かく言う私といえば、思えば鷹丸くんのアドも携番すら知らない始末。
まったく…。



暫くして鷹丸くんが戻ってきた。
すかさず大海が話し掛ける。


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