距離〜進と白〜-4
「いやっ…えっ?」
「こういうのって、重いかな?」
「や…そんなことないですけど……でも友達から聞いたんですけど、先輩モテるらしいじゃないすか。家もお金持ちらしいし…俺なんか釣り合わないっすよ…」
「そんなことないよ。確かに告白はされるけど、皆私の外見とか、そんな所しか見てないの。そんなのって虚しいだけじゃない?それに私の恋愛に私の家は関係ないわ。それに逆に質問するけど、なら進くんに釣り合う子ってどういう子なの?」
「えっ……それは……。いや、分かんないですけど、でも俺に先輩は勿体ないっすよ…」
「勿体ない?何が?」
「いや…だから…先輩ならもっといい男いますよ。うち別に金持ちでもないし、俺頭良くないし、それにカッコイイわけでもないですし…」
「私にとってのいい男って、まさに進くんなんだけど」
「や、でももっと俺のこと知ったら絶対がっかりしますって」
「それは全部受け入れる」
「はぁ……」
「あ、そもそも私のこと嫌いかな?それなら諦めるけど」
「い、いや全然!寧ろ先輩みたいな人に告白されるなんてほんと嬉しいっすよ!」
「そう?よかった。さっきからずっと進くん謙遜してるっていうか、避けられてるっていうか、そんな感じだったら凄い不安だったの」
「いや…すんません…」
「謝ることなんてないよ。そもそも告白してるのは私だし。…………じゃあ、よろしくね?」
「えっ!?」
「あっ…やっぱりダメかな…」
「いや全然!ていうか光栄っす!俺の方こそよろしくお願いします!」
「ほんと?よかったぁ…。じゃあ、よろしくね。私のことは“はく”でいいから。敬語もいらないわ」
「…あ…はい」
「敬語…」
「あ、……うん。あ、あの…俺のことも呼び捨てでどうぞ…あ、違う…」
「ははっ。面白いね。よろしく、進」
「あ…うん。よろしく、白…」