距離〜義明と琥珀〜-6
「よろしくね、ねこちゃん」
「えっ…?いいんですか…?」
「あんなに真っ直ぐ告白されちゃったらさ、オチるよね」
「あっ…ありがとうございます!」
「うん。よろしくね」
「こちらこそ、よろしくお願いします!」
「あー………でさ、今更なんだけどさ…………」
「は、はい?」
「いや…あのさ、ねこちゃんの本名って………なんて読むんだっけ……?」
「“こはく”ですよ!もう!」
「あーそうだ!琥珀だね!……んじゃ琥珀、ここ片付けて、一緒に帰ろうか」
「あ、はい!」
「あー、あと敬語は無しねぇ。“先輩”もいらないから」
「あ…は……う、うん……」
「ね、呼んで呼んで」
「…?」
「俺の名前、呼んじゃって」
「あ…よ…義明…」
「はい合格!じゃさっさと片付けましょ、琥珀」
「あ……うん!」
翌日の夜中。
義明は剛の部屋にいた。
「ねぇ、よっちゃん」
「んー?」
「顔、ニヤけてるー…」
「え?あぁ、すまぬすまぬー」
「なんかあったのかー?」
「おっ、聞いちゃう?聞いちゃうのか?聞きたい?」
「……いや、いい」
「なんでだよー!言いたいんだからよー!聞いてよー!」
「あーもう分かったようるせーなー…。で?」
「んふふっ。あのね、彼女出来たの!」
「ふーん」
「なんだよー!驚けよー!驚いてよー!」
「だってどうせあれだろ、この前の元カノと戻ったんだろー?」
「それが違うんだよ…」
「えっ、マジっ?誰っ?」