振り向けお前っ!エピローグ〜あれから・・〜 -2
「悠太君!」
「ぉ、来たぞお迎えが。」
「彼女の方から来るんだね、幸せ者だねぇ悠太は。」
「だーかーら!」
そして、愛華はというと、何とまぁ、学生一の美人と称されて男女問わず大人気である。
もう俺なんかがたやすく近づけなくなってしまった。
逆にいいのかもしれないが・・。
しかし、ああなるとなかなか全員集まって話す機会がない。
「たまには全員で遊びに行きたいものだな。」
「まったくだ。」
などと話しているとものすごい人混みを見つける。
もうこの大学の名物といってもいいだろう。
愛華が来るとこうなるんだ。
まぁその人混みの大体が付き合ってくれ!結婚しよう!などという輩だが。
しかしそのたびに愛華は。
「ごめんなさい、ほかに好きな人がいるので。」
と、ズバッと断ってしまう。
そして自分はその好きな人なんじゃないかと思いこんで玉砕するやつも多々、目にした。
「おーい、愛華ー。」
呼んでみる。
「おいバカっ!俺知らないぞ、あんな男子がたむろってる中で、呼び捨てなんて。」
そう、誤算だった、いつもの感覚で呼ぶと大体こうなる。
呼び捨てにしやがった、われらが愛華さんを!
などと怒りを買うのが日常茶飯事でもある。
しかし呼ばれた当の本人は。
「あ、悠太君、進一君、輝君」
全員の名前を思いっきり呼ぶ。
「うわぁ、俺も輝も巻き添えくらった。」
「阿佐美に守ってもらえ。」
「うんそうする。」
というと一目散に逃げてしまう。
「さぁ、たぶん全部俺に来るから撒いたら戻ってくるよ。」
「気をつけてね。」
などと卒業を目の前にして馬鹿をやっている。
結局は俺はまだ誰とも付き合うなどとはしてないんだが、軽く進一と輝に先を越された気がする。
何故なら俺はまだ、愛華のことが・・・・・
だけどそんな都合のいいことが通じるわけがないし、第一、一回ごめんなさいをされてるのだ
今更という感じであったが。
やっとの思いで撒いて戻ってくると。