振り向けお前っ!15話〜結末〜 -1
――――朝・・・鳥のさえずりが聞こえ。
普段は気持ちよく目を覚ませそうな日だった・・・・
しかし、悠太は喪失していた・・・。
自分がいつこの家に戻ってきたかも定かじゃない。
ただ一つ、記憶に縫い付けられたように離れないそれだけがはっきりとしていた・・・。
―――――昨晩のこと。
「この後お話があるんです、いいですか?」
愛華がそう言った。
真剣な顔で。
何を示すか、悠太には思い当るところがあった。
だから・・。
「うん。」
と答えた。
どんなことでも覚悟していたつもりだった・・・・。
そして、夜、花火も終わり祭りのムードもだんだん無くなっていく中で。
2人は手短にあった公園へと足を運ぶ。
そして、ベンチに腰を下ろす。
が、どちらからとも話しかけはせずにただ沈黙が続いていた。
このままでも仕方ないので話を振ってみる
「あの、それで・・・話って?」
心底緊張していた。
「えっと、ですね、その・・・」
愛華も答えにくそうに顔を伏せながらいう。
「・・・私の答えを、伝えようと思って。」
来た。
予想していた通りだった。
心臓が高鳴る。
どくんどくんと不安で、いっぱいになる。
「よかった、ちゃんと答え出してくれたんだ。」
「はい。」
そしてまた静かな時間が訪れる。
「・・・・・」
「・・・・・・・」
そしてどちらからとなく声を出す
「ねぇ。」
「あの。」
お互いがつまる。
「あ、えっとごめん何?」
「いえ、悠太君こそ・・。」
そしてまた黙り込む
しばらくそんな時間が続く・・。
そして。