振り向けお前っ!15話〜結末〜 -9
「さて、いつまでもこうしてると悪いし、自分の家帰るわ。」
「ああうん、わかった、御休み。」
「ああ、御休みって・・え?」
外に目を向ける、真っ暗だった。
「こんな寝てたのか。」
「うん、それはもう、死んでるかとおもっちゃったよ。」
「あはは、面倒かけて悪い、じゃあな、御休み。」
「御休み。」
そういってお邪魔しましたと一声かけて輝の家を出る。
ものの1分としないうちに家に着く。
「ふぅー。」
肺の中の空気を思いっきり吐き出すようにして、ベッドの上に倒れる。
そしてそのまま、眠ってしまう。
明日はもう夏休みも終わり、また学校が始まる・・
いつも通りの日常がまた戻ってくる。
全員が友人として、特別な存在がいない。
そんな、日常生活が・・・。
やがて朝はやってくる。
「じゃあ行ってきます。」
ドアを開けると。
「遅いわよ何してんのよ!」
「悠太、おはよう。」
「おはよう悠太君。」
「おはようございます。」
いつも一緒に学校に行ってるメンバーが待っていた。
「何だお前ら、わざわ家の前で待ってなくても。」
「あら?持つべきものは友達って言うけど?私たちを敵に回したいわけ?」
「ああもう、好きにしてくれ。」
そんな前までは考えられないくらい忙しい日常がおかしくて楽しい今日この頃。
結局は、変わることなんてないんだ。
それでもまぁ、楽しくやって行けるならそれでいいか、と悠太が思う。
振り向かせたかった人が居た、今は・・・どっちかって言うともういいかなって感じ。
だって好きな人と一緒にいられるだけでも十分だもの、と阿佐美が思う