振り向けお前っ!15話〜結末〜 -8
「愛華ちゃんのことがまだ好きだから?」
「・・・・・愛華に全部話してもらったんだ。」
言わない方がいいかもしれないと思った。
「私は、阿佐美さんみたいに強くないから、想いを全部背負い切れなかった・・・・だって。」
「・・・・・・ありがとう。」
「え?」
「ちゃんとそう言ってくれて。」
「まさか愛華ちゃんにフラれたから、想いが吹っ切れて私と付き合えるなんて言ってたら思いっきりビンタよ。」
「ははっ、何だよそれ。」
「ま、とりあえずこれからも幼馴染としてよろしくね。」
「ああ。」
そして不意に阿佐美が近づいてくる。
「・・・・ねぇ悠太、目閉じて。」
「なんでだよ。」
「いいから!」
仕方がないので言われたとおりに目を閉じる。
そして。
ドン!
「―――ッ!!」
凄い衝撃がすごい音とともに腹部に来た。
「あーすっきりした。」
「ぐ、くそ、覚えてろ。」
「やなこった。」
「今度借りをかえ・・し・・て・・・。」
「あーじゃあ用事終わったなら私家戻るね。」
と一目散に戻っていく。
それと同時にちょうど意識が消える。
偶然にも輝が通りかかり、大慌てで自宅に連れ帰り、介抱した。
目が覚めたのは倒れてから結構時間がたってからだった。
いつもと違う部屋にいて驚き勢いよく体を起こす。
「あ、悠太やっと起きた。」
「輝?」
「道端で倒れてたんだよ?」
「あ、ああうん、輝が面倒見ててくれたのか、ありがとな。」
「それはいいんだけど、何があったの?」
「んー2回ほど失恋したかな。」
そう言うとそれ以上は聞いてこなかった。