振り向けお前っ!15話〜結末〜 -7
「なのに、あの人は、自分から私とあなたを近づけるように行動していたんです。」
それを聞いた瞬間ハッと思うものが悠太には多々あった。
たまに愛華と阿佐美が2人でなにかやっていたり、わざわざ自分と愛華を一緒にして祭りを回らせたり。
あの花火の時も、何かあったんだろう。
考えるといろいろ思いつくものがあった。
「私にはそれが辛かった。阿佐美さんの気持ちを思うと。」
「もう・・いいよ、もう。愛華自身辛いんだからもう言わなくていいよ。」
「・・・・・最後にちゃんと言います。あなたとは付き合えません。」
そう言った。
そして悠太が何かを言おうと口を開きかけた瞬間。
「これで最後です。」
と愛華が一言いって悠太の口を塞ぐ。
一瞬の出来事だった。
「さようなら、また友人としてよろしくお願いします。」
と言って走り去って行った。
去り際にみえた大きな雫が見えた気がする。
「はは・・また未練が残っちゃいそうだな。」
さっきの一瞬の出来事のことを思い出しながらつぶやく。
「・・・・さて、俺もちゃんと言わないとな。」
そして悠太はある人物のところへ向かう。
そう、阿佐美の元に。
家へ着くと呼び出しベルもといインターホンをならす。
思ったよりすぐに阿佐美が出てくる。
「はい、ってあ、悠太・・。」
「ちょっと話があるんだいいかな?」
阿佐美は否定することなく、頷いた。
「で、話って何?」
「愛華にフラれた。」
「え!?」
悠太の予想通り目を見開いて驚いていた。
「はは、やっぱ驚くよな。」
「当たり前じゃない。」
「で、な。お前にもちゃんと結論を言いにきた。」
「・・・・うん。」
「ため込むのもあれだからすぐ言うぞ?」
「分かった。」
「じゃあ、言うな。」
少し間を置いてから
「・・・・・ごめん!俺も阿佐美とは付き合えない!」
そう伝えた。