振り向けお前っ!15話〜結末〜 -4
「はぁ。」
そんなため息を漏らすと、ベッドの上に横になる。
昨日からぼーっとしていたため、今になって睡魔がやってきたのだ。
「・・・俺そんな寝てなかったんだ・・・だめ・・だ、意識がうす・・・れ・・。」
そして寝てしまった。
そんな、浮かれモード全開の悠太とは裏腹に阿佐美は悠太の家を後にして少し歩いて家から離れると、表情が暗くなった。
やっぱり勝てなかったんだ・・・。
そんな思いが阿佐美の中を駆け抜けていく。
そして知らぬ間に涙がでていた。
自分は泣きたいなどと思っていない、なのに自然と涙が出てくる。
「・・・あはは、」
無理やり笑ってみる。
そうすれば涙も止まると思ったから。
「ははっ。」
止まらなかった。
泣きながら笑っていた、他人から見れば相当おかしいだろう。
だが、どうにもそうなってしまう・・。
「はは・・・ひっ・うっ・・ぐすっ。」
とりあえず、どうすることもできないので、走ってみた。
目の前もろくに見えてなかったが、それでも何もしないよりは気がまぎれる。
そして。
ドン!
誰かとぶつかった。
「わっ。」
「痛ぅ。」
「あ、ご、ごめんな―――」
阿佐美が慌ててそう言いかけ相手の顔を見ると。
「か、川谷!?どうしたんだよ?」
進一だった。
「別になんでもないわよ!」
そう怒鳴って立ち去ろうとする。
が、できなかった。