振り向けお前っ!15話〜結末〜 -2
「あのさ、愛華、無理して言うことないから・・・、まだ時間あるし・・。」
そう言った。
「・・・いえ、ちゃんと今言います。」
それで吹っ切れたのか愛華が決断の色を見せ始めた。
「私は、悠太君と短い時間でしか関わってないですけど、それでもこうして友人同士になれた。」
「うん。」
「旅行にも行けた。」
「愛華の家の別荘にな、あのときはありがとう。」
「そして、好きだと言ってくれました、こんな私を。」
「うん。」
悠太は一言ずつ相槌を返す。
「嬉しかったんです・・・。」
「・・・・・・」
やがて悠太も真剣に聞き始める。
「それで、私は悠太君のことどう想ってるんだろうって今までずっと考えてました。」
「ありがとう。」
そんな一言を出したとき不意に愛華の頬に一筋涙が伝う。
「・・・想ってきた・・想って・・そして、私も悠太君が好きだって、今日はっきりしたんです。」
「だから私の答えを伝えます・・・・・」
この後の言葉が悠太にはとてつもなく重いものになる
少し聞きたくないかもしれないとも思った。
断るという選択肢もあるから・・・。
愛華も同様に、言ってしまっていいのかと悩んでいた。
「私はあなたが好き、だから―――」
・・・・・・・・
ハッと我に返る。
「あ、いけね、何ぼーっとしてんだ俺は。」
祭りから次の日。
特に予定もないので、家でのんびり過ごそうかと思った。
自分の部屋からでると
「あら、早いのね、休みくらいもう少しゆっくりしてても良いんじゃない?」
母親にそう言われる
「別に、これが普通だよ。」
「悠太君はまじめねぇ。」
はいはい、と軽くあしらう。