距離〜佐山からの視点 3 …と、愉快な仲間たち〜-1
学校の近くの公園。
昨日剛くんに、「明日あそこの公園で会おうぜーっ」て言われたんだけど、なんだろう…。
しかも私ちょっと遅刻だし…。
「ごめーん待ったー?」
「待ったー。遅いぞボケー」
「ごめんごめんっ。美沙が話長くてさー」
「あ、美沙っちに会ってたのー?」
「うん。昨日文化祭の後さ、「明日剛くんと二人で会うんだ」って話したら、その前にちょっと話するぞって言われてさ…はは」
「ふーん。で、何の話したのー?」
「それは…まぁ…取り留めのない話よ…はは」
「なんだそれー…」
「これは大チャンスだぞ幸!幸からコクっちまえー!」って言われたなんて、言えないもんね…。
「そ、それよりもさ、昨日は大盛況だったねー」
「あぁ、客入りハンパなかったよなー」
「去年よりクラブっぽくして正解だったんじゃない?剛くんのDJとか順平くん達のパフォーマスもかっこよかったし、女の子たちからのウケが凄い良かったもん」
「女ウケしてもね、あんまり関係ないけど。ああ見えてひたすらDJやらされたり踊らされるのって大変なのよー」
「でも進くんは沢山女の子来てくれて喜んでたよ…」
「あぁ、あいつはな、チャラいから…」
「そういえば剛くんも何人か女の子に話かけられてたよね?」
「あーあれねー。こっちがDJやってんのに図々しくも話掛けてきよってな、アド教えて下さいとか何とか。今手が離せないってんで全部断ったけど。全く…」
「モテるのも楽じゃないんだねぇ」
「別にモテてるわけじゃないっしょ。DJとかダンスやってんのと知り合えばネタになると思ってんだよー」
「勘繰り過ぎじゃなーい?」
「んなことねーよ。だいたいね、モテたくてダンスとかやってるわけじゃねーし」
「ただ自分がやりたいからやってる、でしょ?」
「そうそうそう。分かってんねぇー」
「まぁそりゃこんだけ友達やってればねぇ…」
「何その尾鰭を引くような言い方はー」
「特に意味は無いけど……」
「ふーん…」
「……」
「……」
「……」
「……」
なんだこの空気……。