彼氏(仮)──疑問-4
……じゃあ、なに?
学級委員だったら誰でも良かったってこと?
それはそれで、何だか腹が立ってくる。
ま、どうせ期末が終わればこの変な条件付きの関係もなくなる。
どうでも良いことでストレスを溜め込むのは止めよう。
下駄箱からローファーを出して、上履きと履き替えた。
昇降口の向こうの世界は大粒の雨に潤っている。
お陰で私の気持ちもブルーに染まりきっていた。
「はぁ」
何となく吐いた溜め息は、全ての鬱憤を象徴していた。
「遅いっ」
……またか。
遼君の声が聞こえて、私はガックリと肩を落とした。
「待っててって言ってないし」
迷惑だとハッキリ言った方がいいだろうか。
「傘、あんの?」
「関係無くない?」
何故か無いと言いたくなかった。
なんだか負けた気分になりそうだったから。
「ジャーン」
遼君は誇らしげに折り畳み傘を私に見せる。