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『感覚』
【青春 恋愛小説】

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『感覚』-1

『おはよぉw』
親友の吉田由奈が話しかけてきた。
『おはよぉ…。』
今日は非常に眠い…。
『美波…死にそうだよ…。』
そう。このいまにも死にそうなあたしが佐藤美波。一応華の女子高生(笑)17歳。
『それに…なんか生気が…。』
『…やっぱりわかる??』
実は昨日4時間しか寝てない…。いつも8時間睡眠のあたしがだよ!?眠いったらありゃしない…。
『なんかあった??』
と心配そうにあたしに話しかける由奈の横をチャリが通った。
『由奈ぁvvおはよぉ!!』
由奈の彼氏さん。うちらの一個上の伊東祐也さん。
『あ、祐也おはよぉ!!』
朝からイチャイチャしちゃって…。

あたしはよっぽど妬ましそうな顔をしていたのだろうか。
『美波、顔ヤバい(汗)』
と笑われてしまった。

『んじゃあたし祐也といくね↓学校であおう!!』
由奈は彼氏さんといってしまった。

『幸せそぉだこと。』
ぼそっと呟いてみる。だれにも聞かれないうちに消えるのだろうが。
『…学校いこう。』
また、学校への道のりを歩きだした。


恋をして女は綺麗になるといいますが…肝心の相手がいない。まぁ、恋をしたって…無理なんだけど…。


公立佐内貝高校。ごくごく普通の学校。
ここの近くには私立の有名進学校がある。
本当はそっちにいくつもりだった。あのことがなければ。

『わすれなきゃなぁ…』
忘れなくてはならないことなのだ。

昇降口から自分のクラスに向かう。いつものありふれた風景。

ガラッーー…

普通にドアを開けて自分の席へ向かう。窓際の一番端。
結構この席はお気に入りだ。
あたしにきづくと由奈がよってきた。
『美波、ごめんねぇ↓』
『全然いいよ。彼氏さんとイチャイチャしてきたぁ??』
『もち(笑)』

『話変わるけど、美波、クラスの人の名前おぼえた??』
『えっ??なんで??』
正直『ぎくっ』とした。女子はまだしも男子の名前なんてあまり覚えていない。

今は9月。5ヵ月も経とうとしているけど…男子としゃべったのなんてかぞえるくらい。
『ま、まぁ…名前わかんなくったって生きてけるさ。』
『みぃなぁみぃー…。』
由奈の重低音ボイスと共に担任が入ってきた。

『席つけー…。』
クラスがどよめいた。担任の他に男が入ってきた。
『転校生だぞ。んと、名前はー…。』
担任の言葉を遮って彼はいった。
『菅野浩文…です。』
どくん。
心臓が波打った。
おそるおそる顔を上げると、髪は黒く、あまりチャラチャラもしていなくて…さっぱりした顔立ちだった。あたしの強烈な眠気を吹き飛ばすには充分だった。



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