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『感覚』
【青春 恋愛小説】

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『感覚』-3

付き合って4ヵ月。…10月のことだった。
最近風邪で学校を休んでいる。1週間も…。
『そろそろお見舞いいってやるかぁ。』
とあたしは彼のお気に入りのケーキを買っていくことにした。
ケーキを買って、彼の家の前。
『緊張…。』

ピーンポーン…

インターホンを鳴らした。
『あれ??誰もでない…。』
おかしいなぁ…と思いつつも、今日は帰るかと踵を向けたとき。
キッー…
あたしの目の前に1台のタクシー。
『いたー!!』
ガチャリと降りてきた人は昭文のお姉さんの希さん。1回一緒に食事したなぁ。料理も上手いし。
『今すぐ一緒にきて!!昭文がー…』
あたしがもっていたケーキのつぶれる音がした。

『昭文…!!』
あたしが病室に入ると…
『…は。ははは…は。』
昭文の顔の上には白い布。
これってなんかサスペンス劇場でみたことあった…。


うそでしょう…??
あたしはそっと顔の上にあった布を取り払った。
間違いなく昭文が寝ていた。

腕とか…顔とか…こんなに細くなってる…。
『あきふみぃー…!!』
あたしは人目をはばからず泣いた。


風邪で休んでいたわけではなく白血病の治療のために休んでいたのだ。
完治するまであと少しと医者もいっていたらしいが…そのときにはすでに体が蝕まれていた。
再発して病院に運ばれたときにはもうすでに…手の施しようがない状態だった。と希さんから聞いた。
『最後まで…あなたの名前を呼んでいたよ。』
ということも。


『…あたしどぉしたらいいんだろね…。』
空に向かって嘆いた。


また朝がくる…。

『おはよ。』
頭上から声がする。…あいつか。
あたしは顔をあげずに、
『おはよぉ…。』
といった。
『顔上げていおうよ…美波(泣)』

ドキッとした。今の呼び方…まるで…

きづくとあたしは顔を上げていて、あいつを見つめていた。
『やっと顔上げてくれた。』
そんな風に笑わないで…。
あってから2日しか経ってない。のに。どんどんこいつにのめりこんでいる。


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