距離〜美沙からの視点〜-2
「何か儲かる出し物ねーかなー。あ、幸、ストリップは?幸が脱いでさ。男性客の数ハンパ無いと思うぞー」
「なっ…!そんなの学校の規則的にも許されるわけないじゃない!つか私そんなのイヤだし!」
「けっ、幸は頭が固いのぅ。じゃぁなんだろなー」
「また去年と同じでも良いと思うけど」
「んー…でもそれじゃ芸が無くないか?あ、砂糖取って」
「えーっと…はい。確かに、同じってのもつまんないかも」
「あざーす。だろー?もうちょっと変えたいよなー」
「うーん…」
「あ、去年の要素にメイドもプラスってのはどうよ?」
「えーメイドー?」
「おぅ。女子は全員メイドのコスプレなのだ。これで野郎共のハートもガッツリだぜっ」
「でもDJとダンサーがいるのにメイドまでいたら、お店の路線が目茶苦茶じゃない」
「…………否めないのである」
「でしょ?だから去年と同じでも良いんじゃないかなって」
とか言って、ほんとはDJやってる剛くんが見たいだけなのでは?
まぁあれは確かにカッコイイしなー。
賢には申し訳ないけどねー…。
「んーでもなー。新しさも欲しいよなー…」
「うーん…」
「あ、ダンスフロアー作って自由に踊れるようにしたらどうだろな?」
「それってただのクラブなんじゃないの?私行ったことないけど…」
「そんな感じよー。入場料にワンドリンク付けて、後は追加料金でさー。去年はテーブルも椅子も固定だったから踊りずらかったじゃん?」
「うーん…」
「踊りながら飲み食い出来るように料理も什器も変えてさ。勿論DJとダンサーは去年と一緒で」
「でも去年だって無理矢理剛くんに頼んだじゃない」
「それでも結果的にやってくれるのが剛くんなのだよー」
「んーまぁね…」
「ね?良くね?次のクラスの文化祭の話し合いの時に提案しよーぜー」
「うーん…。そういえば他のクラスは何やってたっけ?」
「えーっとね…長崎ちゃんぽんの店、お化け屋敷、パフェ、ワッフル、メイド喫茶…とかか。全部つまんねーっ」
「そう?文化祭らしくて良いと思うけど…」