振り向けお前っ!14話〜揺らぐオモイ〜 -3
「じゃあ、いつも6人ってのもつまらないし、3グループに分けましょうか。」
「じゃあ、愛華ちゃんは悠太と、私は薫ちゃんと、そこの馬鹿は輝君とね。」
的中してしまった、しかもよりによって何で愛華なのかが、わからない。
すぐさま阿佐美を引っ張って
「何で愛華となんだよ!お前自身いやじゃないのかそれは!」
と皆に聞こえないように言う。
「まぁいいから行きなさい!」
しかし、阿佐美もこう言われるのを予想していたかのように軽く返す。
「だが!」
「いいから!」
さすがに、聞き入れてくれそうもないので、諦める。
そして、しぶしぶ了承して3グループに分かれる。
「じゃあ俺達は適当に回ってくるよ、じゃあな。」
と進一達はすぐ向かってしまい。
「さぁさ、薫ちゃん行きましょ。まず一番にいくところはね?」
と阿佐美たちもさっさと行ってしまい。
残るは悠太と愛華だけになった。
「・・・・・・・い、行こうか?」
「・・・・え?あ、あっ、はい!」
こうして気まずい雰囲気の中2人は祭りの中を行きはじめる。
「・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
沈黙が2人を包み周りからはにぎやかな音や、祭りに来ている人の楽しそうな声が飛び交う、
そしてその沈黙を破ったのが悠太だった。
「さ、最初!最初どこ行きたい?」
やっとの思いで出した言葉がこれだった。
そしてその返答に、
「え、えっと・・・今ちょうどお昼ころだから。何か食べたいかも・・。」
愛華もやっとの思いと言った感じで返してきた。
「そうか、じゃ、じゃあ、具体的に何か食べたいものある?」
「え?いや、悠太君に任せます。」
「分かった、じゃあ、おれが毎年行く屋台があるんだけど、そこの焼きそばがおいしいんだけどそれでいい?」
「ええ、かまいませんよ。」
だんだんとお互い、慣れてきたのか普通に話せるようになってきた。