振り向けお前っ!14話〜揺らぐオモイ〜 -2
「ああ、私ここから一人で行くから!」
と言ってたたたっ、と駆け出して行った。
「愛華の家行くくらい別に隠すことじゃないだろう・・・。」
そう呟いてみたが、阿佐美はもう声の届かない所にいたらしく、そのまま行ってしまう。
そして、呆れながら悠太はまたそこら辺をぶらぶらしようとしていた。
阿佐美はというと、愛華の家の前で立ち止まっていた。
阿佐美の視線の先にはインターホンがある。
気まずそうにしながら指で押す。
ピンポン。
一般的にあるような、音が鳴る。
「はーい。」
愛華の声がして、そしてドアから顔を出す。
「あ、阿佐美さん・・。」
「こんにちは愛華ちゃん、実はね。」
その時悠太の背筋に寒気が走った。
「・・・・何かまたよくないことが起こりそうだ・・。」
そしてそれは現実となった。
その日から2、3日してから、阿佐美から、今度のお祭り、愛華ちゃんとか薫ちゃんとか輝君とかこの町のはじめてのお祭りだと思うから全員でいかないかと。
直接言いに来られた。
さすがに、直接だと、断った後が怖いので。
「・・・・あ、あぁ、いいよ、予定開けておく。」
OKしてしまった。
後でいろいろと面倒なことになりそうだと思いながら。
そして、祭り当日。
ちょうど太陽がてっぺんに来たときくらいに皆が集まる。
「なぁ、何もこんな暑い時間を集合時間にしなくても。」
「いいじゃない、時間なんてあっという間に過ぎちゃうわよ。」
「そうですかい、で?どう回る?」
と質問をした、このときこの質問をしなければよかったと思う。
「んー皆色々回りたいだろうし。この祭りをちょうど知ってるのがあんたとあたしとあのバカで3人。で、知らないのが輝君、薫ちゃん、愛華ちゃん。の3人。」
「なっ、馬鹿ってなんだよ!悠太何か言ってくれよ。」
「悪い進一、事実だから言い返せない。」
と軽くあしらって、阿佐美の言われたことに耳を傾けながら考える。
いやな予感しかしなかった。