赤ずきんちゃむ、おほかみの食糧につき-9
『やっべ……すっげー締まる』
息を吐き、ジンロは眉根を寄せた。
ジンロには、この赤ずきんの少女の中は狭すぎる。
味わったことのない締めつけに、早くもジンロの限界が訪れようとしていた。
『ん、んっ……あっ、はぁっ』
一方でチャムの声は明らかに先程と変わっていた。
快楽から発せられる鼻にかかった喘ぎ声。彼女自身も僅かに腰を振っている。
『気持ちいいか?』
ジンロが尋ねれば、赤ずきんはかくかくと首を縦に振った。
彼女の片腕を掴み、背中をしならせて、ジンロは胸に手を回す。
屹立した乳頭をぐりぐりと指の腹で刺激し、激しく揉みしだく。
『あ、ひっ、はあぁっ、ああ……っ! 』
ジンロが腰を速めた。
腰の動きに合わせて、呼吸も速くなる。
『ん、はぁっ……もう……熱くてぇ……っ!』
チャムが声を上げ、一瞬、身体を強張らせた。
『ひっ……ひあ、ああああぁ――っ!! 』
同時にジンロの身体も震える。彼は小さく呻いてから、チャムの中に欲望を迸らせた。
(――ヤバいな、こいつはヤバい)
肩で息をするチャムを見つめ、ジンロは思う。
本来であれば一回食ってしまえばそれでいい。こういう女は泣き寝入りするタイプだ。猟師や警官に、自分が犯されたなんてチクることはない。気に入らなければそれまでだし、気に入ったら脅して飽きるまで玩具にしてしまえばいい。しかし――
『なあ、赤ずきん』
ジンロはチャムの髪を梳きながら言った。
軽く身じろぎして、チャムはジンロを見つめた。
切れ長の鋭い目に射抜かれても、チャムは未だ夢心地といったふうだった。
『ん……』
『お前、配達屋だって言ってたな?』
こくりと頷くチャム。
『決めた』
『へ?』
何を決めたのか、チャムはわけが分からずただ疑問符を浮かべて笑う人狼を見つめる。ジンロはにやりと笑い、彼女の肩を叩いて言ったのだった。
『俺が、お前のパートナーになってやる』
「……いっつもいっつも流されちゃう」
「ん?」
「ジンロと初めて会った時のこと思い出してたの」
「ああ、あの時」
ジンロはくく、と喉の奥で笑った。
チャムは半目でジンロを睨むようにして言う。
「ひどいよね。一緒に住み始めてから、騙してたなんて聞かされてさ」
「何を今更。それにな、お前みたいなのがボディガードもなしであんな林の中を歩いてたんじゃ、すーぐにヤられちまうって」
「……実際、そうなっちゃったもん」
ジンロから視線を外し、チャムはぽつりと呟く。
「騙されやすい、流されやすいのが悪いの」ジンロはくく、と喉の奥で笑う。「それに」
チャムの耳に口を近づけ、笑いを堪えながら湛えながら言った。
「良かったろ?」
「そりゃ、ジンロがパートナーになってから配達できるところも広がったし、助かってはいるけど」
「違うって」
彼女の耳に近づけていた口から長い舌を伸ばし、ジンロはすっとその耳朶を舐め上げた。
びくりとチャムの肩が飛び跳ねる。
「な、何がぁっ!?」
赤くなった耳を押さえ、避難するように声を上げるチャムに、ジンロは笑った。
「身体の相性だよ。分かってんだろ」