「望まぬ狂宴」-8
「も…許して」
息も絶え絶えに、舞は何度目か分からない懇願を繰り返す。
「えぇよ」
御前はにっこりと笑うと傍らの副官に命令した。
「この姫さんの鎖、解いたり」
控えていた副官は弾かれたように顔を上げる。
「ですが…!」
何かを言い募る副官の言葉を遮って御前は続けた。
「ただ、入れ込まれるだけやと足らんと言うき、皆で派手に犯したり」
部屋の中が色めきたった。
「あぁーっ!」
派手な声を上げて舞はイッた。
鎖を解かれた後は、四つん這いにされ、部屋にいた男たちに後ろから乗り掛かられ、躯中をいじられ、容赦なく弄ばれた。
「うっ、ゲホッ、ゲホッ」
声が嗄れてくれば、無理矢理に水を飲まされ、また叫び声を上げさせられる。
「あぁっ…!」
落ち着く間もなく、秘芽を剥かれ、乳房を揉まれ、耳に舌が入れ込まれる。
ゾワゾワと立つ鳥肌は嫌悪か快感の為か、もう分からなかった。
「あぁっ、むあん、あっ、いんっ」
ただ、分かるのはこの狂宴に終わりはないと言うことだ。
「あんっ、あっ、んぁっ、あぁっ!」
代わりの男はいくらでもいる。
御前の言葉通りなら、舞が妊娠するまで、もしかすると舞が壊れても続くのだろう。
「あぁっ!」
恍惚は一瞬で、浸る余韻もなく直ぐに現実に連れ戻される。
…助けて。
舞が、心の中で助けを求めたとき、遠くで舞を呼ぶ声がした。
「舞っ!」
いつも聴き慣れている声よりも、余裕を無くしたその声は、段々とこちらへ近付いてくる。
肩口を掴まれた舞は呟いた。
「…赤ちゃん、出来ちゃう」
その人は、舞を抱え上げると口にコップを当てた。
「…これを飲めば大丈夫だ」
錠剤が2つ、舞の喉を滑り落ちていく。
「お前が産むのは…れの子だけだ」
その言葉は小さすぎて舞には届かなかった。
だが、その声に安堵した舞は意識を手放した。
抱きとめられた舞は、薄れる意識の中、温かい手が髪の毛を撫でているのを感じていた。
その手は温かく、心地よく、舞を眠りへ導いていく。
目尻に溜まっていた涙が一粒こぼれ落ちた。