SWEETHEART〜1人目〜-1
「あ?……今日も暑いな……」
ある所に交通整備のおじさんがいた。
「ん?……退屈だ……死にそうだ……」
半日近く立っていて、体力的にも精神的にも限界に達していた。
また目の前に車が走ってきたので右側に誘導しようとノロノロと腕を回し始めた。
「ずっとこんなんだもんな………」
立ったまま寝ているかのように目を閉じて作業をしていた。すると、なんだか閉じた瞼の向こう側が明るく光っているように感じた。ついに脳までおかしくなったのかと内心で思っていると『どーーーん!!』という大きな音が目の前でした。
さすがにおかしいと思いあわてて目を開け前を見た。すると目の前に、長い水色の髪の毛をした人が立っていた。後ろ姿から察するに女子高生だろう。
「大丈夫だった?!?」
女の子は振り向き、とびついてきた。
「…………は?」
「あなた悪い人たちから狙われてるんだって!だからあたしが助けに来たの!」「…………は?」
「もう!物分かり悪いな?。いきなり飛ばされたあたしの身にもなってよ!日田京!」
「…………は?」
「だから?!あなた日田京でしょ!?」
「いや、私はね、日田だが、京じゃないよ。高知だ。日田高知。」
「日田京じゃないの………?」
「あぁ、人違いじゃないか?」
「え?????!?」
「あ?……今日も暑いな……」
あるところに高校1年生の男がいた。
「ん?……退屈だ……死にそうだ……」
今、数学の授業をやっているが精神的披露が限界に達した。
「先生?、トイレ行ってきま?す」
この男子高生はリラックスするため、トイレを言い訳に授業を抜け出した。
「あ?……生き返る……」屋上に来て、爽やかな風を受けて生き返ってるところだ。
「だいたいこんな暑い日に授業受けてられるかよ……」
柵にもたれかかりだれていた。だから、後ろにおかしな生き物がいるのに気が付かなかった。
「あ?……そろそろ帰らなきゃまずいかな?……。それに、中越の顔見りゃ少しはやる気出るかもな?」
1人でニヤニヤしていた。帰ろうとして振り向いたら、そこには緑色の物体があった。
「え………!?………スライム………?」
見た目からして骨はなく、ゲル状だった。
「シカトでいいのか………?」
未確認生命体を避けてドアまで歩いていったが、未確認生命体は特に動いたりもせず静止していた。
「なんだったんだ………?」
「こっちの方ね………」
長い水色の髪の女の子が走っていた。
「まったく………。気配はしないと思ってたのよね………」
「なぁ、青。さっきさ、屋上で変な緑色の物があったんだよね?」
「はぁ?ゴミか何か?」
「いや、でっかいスライムみたいなの。おれより大きかったよ」
「何だろうな?………」
「待った!!」
男子高生2人はびくっとして声を出してしまった。
「おれたち………?」
「そうよ、あなたたちっていうか、あなた!日田京!」
「おれ!?」
水色の髪の女の子は、日田京に指をさしていた。
「おれが何か………?」
「あなた、今話していたことは本当?」
「変な物体の話ですか?はい、今日学校の屋上で見ましたけど………」
「やっぱり本物か………」そう言うと女の子は微笑んで手を差し出してきた。