『群青の街・第一話殺し屋ハルと少女リリア』-1
その街は廃れていた。
建物は錆びれ、
道路にはゴミが溢れ、
空気は汚い。
陽は当たらず、いつも薄暗い。
街の住人は、
そんな汚さと闇を好んでやってきた。
その汚さを呑み込むかのように
その闇に隠れたがるかのように
街の住人は、
今日もここで生きている
◆群青の街◆
第一話『殺し屋ハルと少女リリア』
なぁ、だっておかしいだろう?
こんなオレがさ。
人を傷つけるしか能がない
それでしか生きてけないオレが
誰かを守りたい、だなんて。
命より大事なものがある、だなんて。
きっと許されないだろう?
だからお願いだ
逃げてくれ
罵ってくれ
突き放してくれよ
手放せなくなる前に。