Lesson xxx U-2
知らん顔をしていると先生が立ち止まった。
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「今日は早く帰るからうちで待ってろよ」
ごくごく小さな声で囁く先生に私も小さく頷いた。
「帰る前にメールする」
「うん」
つい零れそうになる笑顔を慌てて隠す。
先生が行くと大きく息を吐き出した。
やっぱり先生と生徒の恋愛なんて心臓に悪い。
以前の開き直りはどこへやら、私は先生のいる学校を辞めたくなくてこんなに必死に隠してる。
一度家に帰って着替えて先生んちに向かった。
とりあえず夕飯の用意をすると手持ちぶさたになった。
うーん。
もしも先生と結婚したりすると、こういうのが私の毎日の生活になるんだろか?
なんてついつい想像してしまう。
先生は大人だけど私はまだまだ子供で。
私が勝手に妄想してるだけで先生はそんな事考えてもいないかもしれない。
大体先生は私と付き合うまでは子供を相手にしないと豪語してたような人だ。
それは高校教師という職業柄もあったんだと思うけど、実はそれが私を不安にさせている。
いつか先生にやっぱり子供はって飽きられるんじゃないかって…。
だって私には先生に釣り合うようなものが何もない。
良く言ってもせいぜい見かけぐらいで先生みたいに立派な職業に就いている訳でもなく、だからと言って将来こうなりたいと思う夢がある訳でもない。
そんな私だから先生にすれば今は物珍しくて付き合ってるのかなって不安になるんだ…。
先生と付き合うまでだってカレシはいたけど、ここまで不安に思わなかったのは相手が対等だったからだ。
年上でも大学生であったり、同じ高校生であったりと立場が似たり寄ったりだったから。
先生が私だけだって思える自信がほしい。
きっと私がこんな風に思ってるなんて先生は夢にも思ってないだろな。
先生の前では生意気だもんね。
ソファーに寝転がっているとテーブルに置いてた携帯が鳴った。