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エリザベス・悲劇の人形たち
【ファンタジー その他小説】

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エリザベスシリーズ・オマケB-3

「私の可愛い双子。
 沢山沢山、飲むのよ」と、エリザベーラママは笑顔笑顔である。

 その時…

「ミャミャー!」

 聞き覚えのある声。

 顔を上げたエリザベーラはビックリした。

 目の前に、素っ裸の小さな子供人形が立っていたのだ。

 髪はボサボサで、全身汚れまくり状態。

 股間辺りが糞で汚れているから、その女の子の臭い事臭い事。

 思わず、鼻を押さえてしまう。

「キディ! お前まだ、死んでなかったのッ!?」と、エリザベーラは冷たい態度。

「ミャーミャー」

 悲しげ表情をし、目を潤ませるキディ。

 エリザベーラママが双子を産んで育てるようになってから…

 キディは捨てられてしまっていたのだ。

 キディを始め、今までの子供人形たちへの愛情は、エリザベーラは殆ど薄れてしまっていた。

「ココは、お前のような薄汚い者が来る所ではないのよッ! とっとと、立ち去りなさいッ!」

「ミャーミャー」

 涙を流すキディ。

「失せろッ!」

 母親らしからぬ、エリザベーラの激しい口調。

 キディの腹の虫が鳴った。

 視線がエリザベーラママの胸辺りに行く。

 双子が美味しそうに、ママの母乳を飲んでいるのを見て、思わずゴクリと喉が唸ってしまう。

 キディはここ暫く、何も口にしていないのだ。

 エリザベーラママのオッパイが恋しい!

 温かくて美味しいミルクが恋しい!

「ミャーミャー、オニャキャ、チュイチャー」

「うるさい!」

「オッピャーイ、オッピャイ、飲ミチャーイ」

「図々しいわネェ!
 まーだ、飲みたがっているのッ!?」

 あれほど大量に母乳を飲んでおきながら、まだ欲しがるとは。

 乳離れしない上に、母乳まで欲しがる…

 甘ったれたクズ人形。

 もはや、救いようのない能無しキディ。

 もう完全に、お別れ。


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