エリザベスシリーズ・オマケB-2
「皆の衆! 新しい王子と王女じゃーっ!」
広い接見の間には、美しく着飾った男女様々な人形たちが沢山集まっていた。
ジャックル国王とエリザベーラ王妃の双子の子供人形が、今から御披露目されるのだ。
ファンファーレが鳴る中、側近のボックルが大扉を開けた。
ガッチリとした体型に、御披露目儀式の正装に身を包んだジャックル国王が入って来た。
立ち止まったジャックル。
「皆の者! 待ちわびたであろう! 今から私たちの子供人形をお見せしよう!!」
ジャックルが片手を上げると、群集たちが奇声を上げた。
音楽が流れる中、美しく着飾ったエリザベーラが入って来た。
胸には男女双子の子供人形を抱いている。
フワフワのベビーロープに包まれた子供人形。
やはり、身長15センチぐらいで、クリクリっとした目が印象的だ。
目をパチクリしながら、群集たちを興味深く見回し始める。
「皆の者、見よ。私たちの可愛い…王子ハリスと王女ソフィーナです」
ハッキリとした口調で、エリザベーラは自慢の我が子を紹介した。
「何と可愛い御子たちだ!」
「素敵だわ!」
「国の宝だ!」
群集たちは目を輝かせながら、大きな歓声を湧かせた。
ボックルが叫ぶ。
「皆の者! 国王と王妃に祝福を!」
群集たちも叫ぶ。
「おめでとうございまーす!」
「国王、万歳!」
「王妃、万歳!」
「ハリス王子、ソフィーナ王女、万歳!」
「万歳! 万歳!」
群集たちの歓声を受け、ジャックルもエリザベーラも大満足だ。
この後は祝福のパーティーが催された。
オーケストラの生演奏をBGMに、参加者たちは豪華な食事を嬉しそうに、バクバクムシャムシャと食べまくる。
食事のマナーと行儀の悪さは伝統的だ。
エリザベーラは1人、双子を抱いたまま中庭にいた。
静かな場所で夜風に当たりながら、双子に母乳を飲ませているのだ。
エリザベーラママに抱かれているハリスとソフィーナ…
穏やかな表情で美味しそうに母乳をゴクゴク飲んでいる。