エリザベスシリーズ・オマケA-1
俺様はブルーレッド。
注文を受けた品物を届けにゴルゴダ魔城を訪れた。
ココは北の魔界で一番最奥と言われる暗黒の地…ゴルゴダ峡谷に建つ巨大な古城。
どんな強大な悪党さえビビっちまう牢獄施設であり、ブラスト魔王府に絶対的な権力を持つ大魔女ソーサラスの住処でもあるんだ。
ソーサラスの側近に品物を渡し、代金を受け取った俺様は帰宅の途に着こうとした。
ある大部屋の横を通り過ぎようとした時、俺様は見たんだ。
エリザべスをよ。
確か、ハーレス家を出発した時は、エリザべスはキレイなドレスを着ていたハズなんだが…
何てこった。
素っ裸じゃねえか?
奇妙な姿をした2人の小さな赤ん坊を抱いてよ、母乳を飲ましている最中だ。
赤ん坊はソーサラスの子供だ。
自分じゃあ母乳が出せねーから、エリザべスの豊満な乳房から出るようにしたんだ。
それをキディってガキ人形が勝手に飲んだ。
…っつーんで…
キディは拷問を受けた末、最果ての荒野へ永久追放になってしまってるんだ。
そこは全く何もない荒れ地でよ…
年がら年中、泥水の雨が土砂降りとなって降り注ぐ汚い場所なんだ。
「ウィアーンアーンアーンッ!! ウィアンッ!!
ウィアンッ!!」
激しく泣くキディ。
コイツも素っ裸で全身、泥まみれ。
頭に着けたままの花飾りもボロボロの泥まみれになっちまっている。
ぬかるみの中を、泥水の雨にずぶ濡れになりながら歩くキディ。
行く宛も無く、ずっとワァーワァー泣きながら歩き続けるだけなんだ。
かつては絶世の美女人形ともてはやされ…
人形王国の女王様だったエリザべスも、今はソーサラスのペットにされちまっていた。
リードの付いた首輪を填められているのが、その証だ。
喋れないよう、声帯は抜かれ口は完全に塞がれている。
可哀想に…
エリザべスはいつも、涙を流すだけだ。