憂と聖と過去と未来 6-6
「……ほら、風邪引くから。とりあえず今日は帰れ、な?」
憂、本当にすまない。
こんなこと、本当は言いたくなかったんだ。
「……うん!」
憂は理解したのか、元気な声で返事した。
「じゃあ、またね、聖」
「…ああ」
憂は振り返ってエレベーターに乗り、すぐに見えなくなった。
「ふぅー…」
憂…俺、決めたよ。
お前のためなら…
壁なんかぶっ壊してやる。
俺がお前を守ってやる。
俺は唇を噛みしめ、ゆっくりとエレベーターへと歩み始めた。