ネコ系女 #4-1
明るい朝日が部屋に射し込んでいる。
そんな中、私は鼻歌まじりで鏡に向かっていた。
右手の中指は右目の目尻に、同じように左手を左目の目尻にあてがい
「♪?あっがり目さっがり目ニャンコの目?」
上へ上げ、下に下げ、グルッと回してまた上に引っ張り上げる。そのまま数秒フリーズ。
これで目元のマッサージは終わり。
さって、メイクに取り掛かるとしますか。
今日は暑い。天気予報では夏日になると言っていた。
なら、シャドウは夏らしく薄いブルー系にしよう。うーん、それともマスカラをネイビーブルーに変えようかな。
今日の洋服は既に決まっている。
白いタイトなTシャツに青と白のグラデーションの薄地のロングスカート。
そして太目のベルトを緩く腰に巻く。
髪は毛先10センチをふんわり巻いて白いハットを被ろう。
だったら、やっぱりスカートに合わせてブルー系のシャドウだな。
そうと決まればあとは早い。さっさと支度を整えて、私は姫代との待ち合わせ場所に向かった。
【ネコ系女はオシャレ好き】
待ち合わせ時間10分前に私は駅前にいた。
ネコ系女は時間にルーズだが、私はその辺はしっかりしている。
平日はあまり人もいないので、オダンゴヘアの姫代をすぐに発見した。
姫代も私を見つけたみたいで、ショルダーのバッグを揺らしながら小走りで近付いてくる。
「おはよう、朝希!」
「おはよ」
姫代の今日のファッションは白い胸元の開いたチュニック、中に濃いピンクのキャミソールを着ている。
下は、八分丈のレギンスに薄い色のデニムのショーパンを重ねていた。
オレンジ系のチークを頬に濃い目に乗せているのが更に可愛い。
姫代百点。
「また待たせちゃった!?」
「いや、全然。それより早速、奢ってもらおうかな。お腹減ったし」
すると姫代は不満げに口を尖らせた。
「もーお。感謝されるなら分かるけどぉ」
「ブーブー言わない!ブー子って呼ぶよ」
「いやーっ!」
こんな感じで、私たちは目的の洋食屋さんに向かった。
大通りから一本ずれた通りにある小さな洋食屋さん。ここの二十食限定ハンバーグランチを二人でたいらげ、ホクホクした気分で今度はショッピングモールに向かった。
「姫代は…これいいんじゃない?」
「ダメ!腹肉があぁー!私はワンピでいいのっ」
「はぁ?若い内に出せるもん出しときなよ!私は…これとかいいかなぁ」
「…布の面積少な」
早くも、今年の夏に着る水着を選ぶ。
去年と同じような会話をしながら、私は黒のビキニ。姫代はパレオの付いたカラフルなビキニを買った。