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ネコ系女
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ネコ系女 #3-6

「そっかー!なら来週の水曜日!明明後日は急すぎるから来週の水曜日にここに来て!十一時にここ!」

タマはニコッと笑ってここの部分で声を張り上げた。
念を押すように、ピカピカの床を「ここ、ここね!」と指差す。
デートの予定を立てるのがものすごく面倒な私。だからか、引っ張ってくれる男の人は好きだ。
でも強引なのは嫌。何が違うのか分からないとよく言われるけど、私の中では全然違う。


【ネコ系女は自分ルールを持っている】


タイヤとダイヤぐらい違う。
そして今回は後者に当てはまり、いつもなら即答でお断りしているところだ。
が、事情が少し違う。

「…いいよ」

無表情の私を気にする様子も無いタマ。いつも通りの目尻の下がる目出度い笑顔を見せると、意気揚々として店を出ていった。
タマのいなくなった店はとても静かで、心底ホッとする。
そういえば、この店は有線が流れてるんだっけと妙な再確認をした。

「朝希、朝希」

姫代が私を呼んだので「ん?」と顔を向けると

「イエーイ!」

満面の笑みでピースサインを送ってきた。
その瞬間、疲れとも呆れともつかない変な感情が私を襲う。
もう、世の中どうでもいいしどうなってもいい、と思う。

「明明後日、あんた私にランチ奢りな」

「えっ!ちょ、何で何で!?」

「何でも!本当なら新作の水着のところ、ランチで許してあげるから」

「えぇ〜!!」

仕方ない。
こんぐらいしてもらわないと、この怒りは治まらない。
なんだか最近、今まで生きてきた中で一番ツイていないような気がする。
その代わり、タマとの水曜日が終われば、また私の人生は輝く!
…ような気がする。


【ネコ系女は勘が鋭い】


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